「かえるの王さま」・「蛙化(かえるか)現象」
本日の「編集手帳」を読んでいますと、グリム童話の「かえるの王さま」の約束を
守る教訓が身勝手な心変わりとした上で若い世代の「蛙化(かえるか)現象」が流
行語になっているらしい。ささいな振るまいで気持ちが冷めることを蛙化と称して
いるらしい。最終章の墓参りに「よく来たな」という先祖のまなざしは、奇しくも
娘たち夫婦とのこの前の実家の墓参りで体験した。
「童話には共感できるものが多い。とはいえ、グリム童話の「かえるの王さま」に
はちょっと首をかしげてしまう。
鞠(まり)を泉に落としたお姫様が、拾ってくれたらお付き合いするとカエルに誓
う。いざカエルが城にやってくると、姫は気味悪がって壁にたたきつける・・・
約束を守る教訓を伝えるにしても身勝手な心変わりが怖い。
若い世代で、この物語に由来する「蛙化(かえるか)現象」が流行語になっている。
元々は心理学の言葉だという。好きな相手に好意をもたれた途端、嫌悪を抱く心理
を指すが、SNSには心変わりの瞬間が数多く投稿されている。
<彼氏とドライブしてたけど途中でガソリン入れる奴(やつ)まじ無理>ささいな
振る舞いで気持ちが冷めることを蛙化と称している。以前は食事中に鼻毛が見えて
急に冷めたとか、わかりやすい理由だったものだけれど。繊細なのだろうか。人の
心は綿でけがをすることもあると、太宰治が書いていたのを思い出す。
先日、気流欄の投稿で読んだ。墓参りに出かけると墓石にカエルがいた。二つ目に
「よく来たな」と言う父のまなざしを見たという。どこかホッとする蛙化である」。
と当コラムは結ばれていた。