「淋しい時には、淋しがるより仕方ない」・・・倉田百三
人は誰でも淋しいものです。
これは戯曲「出家とその弟子」の中で、親鸞が弟子の唯円(ゆいえん)に向けて語る一節です。劇中のセリフですが、作家の
倉田百三の言葉として取り上げました。
あるとき唯円が親鸞に対して告白しました。「自分はこのところ淋しくて仕方がないのです。」と。
別に取り立てて原因があるわけでもありません。念仏を信じて生きていながら、理由もなく一人で涙がこぼれてきます。念仏
者がこんなことでいいのでしょうか、と親鸞に相談すると、親鸞はこう答えました。
「淋しいのが本当だよ。淋しい時には、淋しがるより仕方がないのだ」と。
<人生は淋しいものなのです>と覚悟を決めることで、なぜか心が軽くなったような気がしてきました。