<あはれ花びらながれ/をみなごに花びらながれ・・・>
本日、「編集手帳」を読んでいますと、冒頭から上記の三好達治の詩が目に飛び込んできました。私の大好きな詩でした。
好奇心がくすぐられ、わくわくとしてきました。
「あはれ花びらながれ/をみなごに花びらながれ・・・と始まるのは、昭和の詩人、三好達治の名作「いしのうへ」。実際
はお寺の景なのですが、花と<をみなご>から、桜咲く頃、袴(はかま)姿の卒業生が語らい歩む謝恩会を連想してしまい
ますね。
慮外(りょがい)のコロナのせいで、謝恩会もままならない春です。大学に限らず、師と教え子がなごやかなひと時を過ご
せないのは、互いに残念なことに違いないです。
学恩、恩師の恩は「因」と「心」からなります。このうち「因」は、白川静著「字統」によりますと、四角い敷物に人が仰
臥(ぎょうが)した文字だとか。そう聞きますと、恩の中に、大の字に寝る人の姿が見えてきます。思い出される歌もあり
ます。
遠くは明治の石川啄木(たくぼく)の<不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて/空に吸はれし/十五の心>。近くは
忌野清志郎さんが歌った「トランジスタ・ラジオ」。授業をさぼり<寝ころんでたのさ 屋上で>。内ポケットのラジオか
ら、音楽が空へと溶けていきます。
歌のごとくの子どもらの青春を、「心」で支えた先生は今もいるはずです。きっと思いは伝わっています。いつの日か、言
えなかった<ありがとう>が空に響くこともあるでしょう」。と当コラムは結ばれていました。
教育者の醍醐味が見事に伝わってきました。その時はわからなくても、教え子だった私のように先生が他界されてから、感
化力のすごさを感じることもあります。ただ、ただ、感謝です。
カウンセリング 神戸市 カウンセリング恵((めぐみ)