<わたくしは、蚊に攻められているのである>。
今月11日、「天声人語」を読んでいますと、大好きな明治の作家小泉八雲の記事が目に留まり、ワクワクドキドキしながら読破
しました。
「久しぶりに田舎の実家で草むしりをしたら、すぐにプーンという音が襲ってきました。顔が手が首筋が次々とかまれてい
きます。かゆい。今年もまた、蚊の季節です。
<わたくしは、蚊に攻められているのである>。明治の作家小泉八雲の随筆の一文を思い浮かべます。当時、東京の八雲邸
近くには5、6種類の蚊がいました。このうち「全身に銀色の斑点と縞目のある、小さな針みたいなやつ」が「容易ならぬ
豪敵」だったと憎々しげに書いています。
はて、八雲を悩ませたのは何という蚊だったのでしょうか。東京蚊大学助教の三條場千寿さんに推理をお願いすると、最も身
近なヒトスジシマカの疑いが濃厚だといいます。その共著「あなたは嫌いかもしれないけど、とってもおもしろい蚊の話」に
よれば「根っからの都会っ子」だとか
日本にいる蚊は100種以上、世界では3600種。花の蜜が何より好きなやつ、蚊を食べる輩(やから)も。研究熱が高じて
蚊を「美しい」とさえ感じるという三條場さんの蚊話は驚くことばかりでした。いかに蚊について知らなかったか。
世界に目を転じれば、蚊は「人類最大の敵」とまで言われる危険な存在ですね。マラリアの死者は世界で年間40万人に上り
ます。しかも、地球温暖化で生息地は年々広がっています。
それでも蚊を撲滅させるようなことはできないと八雲は書きました。いつの日か蚊に生まれ変わり「刺すような歌をうたいな
がら、自分の知っている人たちを噛みに」いきたいとも。安全な共存しか道はないということか。かゆくても」。と当コラム
は結ばれていました。
小泉八雲の<わたしは蚊に攻められているのである>笑ってしまいました。最終章に八雲はいつの日か蚊に生まれ変わり「刺
すような歌をうたいながら、自分の知っている人たちを噛みに」いきたいとも。八雲は、ほんとに<キュート>ですね。私の
心から尊敬できる外国人です。日本の文化のよさをいろいろ発掘していただき誠に有難うございました。
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