• オープンしたきっかけ
  • コンセプト
  • カウンセリングの流れ
  • 料金について
  • カウンセラーの紹介
  • お客様の声
  • 会社概要

<両手一杯の「ことば」セラピーと心の松明(たいまつ)・羅針盤>⑧

2019年8月7日

<両手一杯の「ことば」セラピーと心の松明(たいまつ)・羅針盤>⑧

母の遺訓と稲盛和夫さんの世界(NO.6)・・・欲を超えて自然との共生・共生社会をめざして

*カナダ生まれの天才ピアニストのグレン・グールド(1932~1982)は、夏目漱石(1867~1916)の<草枕>を三十、四十回も読んだそうです。漱石のどこに惹かれ、どこに共感したのでしょうか??

グールドが、<草枕>に出会ったのは35歳のとき。その後、終生手元に置いていたようです。グールドは、50歳になって、デビューしたときのバッハの<ゴールドベルク変奏曲>を弾き直し、若い時の演奏は<若き日の放縦な自己顕示欲>が感じられると言って<自己顕示欲>に言及しています。漱石の大きな影響力を見て取ることができます。

<草枕>が書かれたのは日露戦争の頃ですが、<思索と行動><無関心と義理><西洋と東洋の価値観の対立><モダニズムのはらむ危険性>を扱っています。

第一次世界大戦直前(1900~1902年)漱石は留学生としてロンドンにいましたが、西洋近代の個人主義は、一方において利己主義や我執の問題を引き起こすとの考えに至ったようです。そして、1906年に<草枕>を発表しました。

<文明はあらゆる手段を尽くして、個性を発達せしめたる後、あらゆる限りの方法によってこの個性を踏みつけようとする>と<草枕>には、書かれています。

漱石は、イギリス留学によって、西洋の近代個人主義は、片方において我執や利己主義を生み、西洋の思想ではこれを克服できないことを見抜き、この問題の解決を生涯の課題とすることを決めたようです。

漱石は<草枕>のあと、いかにして<無心を得るか><我執のとらわれを捨てるか>そして、最終的に<則天去私>の考えにたどりつきました。いかにしたら無心になれるかを<行人>に。利己心の克服を目指した<心>。漱石が自らの欲についても述べた<道草>を蔵書にカナダのピアニストのグールドは自分の欲に向き合っていたのではないでしょうか??

<人間にはそれぞれの価値があり、存在意義がある。皆平等なんだ。じぶんのことだけを考えてはいけない。利己主義ではダメだ。自分をも、客観視し、自分のとらわれ、我欲に気づき、これを捨てること・・・・・・。>

(次に続きます。)

カウンセリング 神戸市   カウンセリング恵(めぐみ)