<両手一杯の「ことば」セラピーと心の松明(たいまつ)・羅針盤>33
<最近、私の心を魅了して已まない夏目漱石の世界>NO.3
* < 自分のしている事が、 自分の目的(エンド)になっていない程 苦しい事はない。 > 「行人」
* < 前後を切断せよ、 妄(みだ)りに過去に執着する勿(なか)れ、徒らに将来に望みを属する勿れ、満身の力をこめて現在に働けというのが 私の主義である。> 「倫敦消息」
* < 世の中には ただ面倒臭い位な単純な理由で やめることのできないものが いくらでもあるさ > 「道草」
* < 現代日本の開花は 皮相上滑りの開花であるということに帰着する。 ・・・しかし事実已むをえない、涙を呑んで上滑り滑って行かなければならない。 > 「現代日本の開花」
* < 運命は神の考えるものだ、 人間は人間らしく働けば それで結構だ。 > 「虞美人草」
* < むやみにあせってはいけません。 ただ牛のように図々しく 進んで行くのが大事です。 あっせてはいけません。 頭を悪くしてはいけません。 根気ずくでお出でなさい。 うんうん死ぬまで押すのです。 人間を押すのです。> 「漱石書簡集」
私の大先輩の先生で「牛車」というタイトルで自分史を書かれ、15年程前に、献本されたのを思い出しました。
* <何かを「気づいた人」の方が幸せだ。> 「倫敦消息」
* <人間は角(かど)があると 世の中を転がって行くのが 骨が折れて損だよ。> 「吾輩は猫である」
* <どうしたら好(よ)かろうと考えて好い智慧が出ないときは そんな事は起きる気遣はないと決めるのが 一番安心できる道である。> 「吾輩は猫である」
* <食いたければ食い、寝たければ寝る、 怒るときは一生懸命に怒り、泣く時は絶対絶命に泣く。> 「吾輩は猫である」
* <君は山を呼び寄せる男だ。呼び寄せて来ないと怒る男だ。地団駄を踏んでくやしがる男だ。そうして 山を悪く批判する事だけを考える男だ。 なぜ山の方へ歩いて行かない。> 「行人」
* <真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。> 「虞美人草」
夏目漱石は子どもの頃から落語や講談に親しんでおり、<話芸>をワザとして身につけていました。さらには漢学と英文学の素養があり、それらをベースに文化的な感性をいかんなく発揮しています。読んでいて、<急所をつかんでいながらとにかく面白い>というのが私の漱石に魅了されて已まない率直な感想です。
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