<両手一杯の「言葉」セラピーと心の松明(たいまつ)・羅針盤>⑪
母の遺訓と稲盛和夫さんの世界(NO.9)<欲望を超えて自然との共生・共生社会をめざして>
* 足尾鉱毒問題の田中正造の<虚心>と<自然を壊すな><郷里を壊すな>
田中正造(1841~1913年)は衆議院議員の職を投げ打ち、足尾鉱毒問題の解決のために自ら農民の中に入り一緒になって闘いました。正造はその抗議活動の実践の中で<虚心>という考えを体得しました。<虚心>とは<虚心坦懐><虚心本気>と同義語で<こころに何のわだかまりも持たないこと><先入観を持たないで素直な心でいる>ということです。正造は、<欲を去らば、私しを捨てるを得るなり>と手紙に書いています。
また、正造は、<人間は自然の中で生きている>という日本の伝統的考えを手紙に認め、<人間と自然が一体>であることも述べ、<自然との共生>が今、<西洋文明の安易な受け入れから崩壊の危機にある>と言及しています。産業の進展は良いことで必要なものですが、<精神面の発達>と一緒に進めないと、<負の側面>が出てくるとも言っています。
正造の主張は、<自然を壊すな>もう一つは<郷里を壊すな>ということでした。
(次に続きます)
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