<両手一杯の「言葉」セラピーと心の松明(たいまつ)・羅針盤>⑩
母の遺訓と稲盛和夫さんの世界(NO.8)
<欲望を超えて自然との共生・社会の共生をめざして>
* 日本人の美質を讃えた小泉八雲
<日本を評価>してくれた先達に<小泉八雲>がいます。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)(1850~1904年)は、文学者。もとイギリス人でギリシャ生まれ。仏教に関心を持っており、仏教が何かその手掛かりになるのではと考え、1890年(明治23年)に日本に来ました。八雲は日本人の理想を、来日して間もなく訪れた<<鎌倉の大仏の慈顔>に見ました。<日本民族の道義的理想は、あの無限の清寂(しょうじゃく)に向かっているもの>であって、<無上の自己克服>をその理想としていると述べています。
そして、この仏像こそ、日本人の魂のなかにある、<やさしさ>と<和やかさ>のすべてを代表したものだと述べています。
漱石が留学生としてロンドンに行く10年ぐらい前に、小泉八雲は来日し、まず驚いたのが日本人の自然への接し方でした。日本の生花について、一本の美しい枝でも、茎でも、日本人は、自然がを作ったままのものを選択します。<自然>をあるがままの形において理解します。我々<西洋人>は<自然を擬人化>して眺めます。日本人は、あらゆる天然現象のなかに、強い喜びを見いだす力を持っています。
そして、八雲は<なりたいという欲求>と、<所有したいという欲求>の違いをはっきりさせる必要があるとも述べています。・・・・・・なにかになりたいと望む人間は、その望みが多きければ大きいほど賢いが、なにかを所有したいという望みは、その願望の大きさに比例して、えてして愚かになりがちだ、と述べています。
(次に続きます)
参考文献:「欲望の世界を超えて」赤堀芳和著
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