<向日葵(ひまわり)の百人力の黄なりけり>加藤静夫
本日、「天声人語」を読んでいますと、英国の作家カズオ・イシグロの近刊「クララとお日さま」の物語の紹介があり、心惹かれました。
「洗濯機を回すべきでしょうか、回さざるべきでしょうか。梅雨のこの季節は、刻々と変わる気象情報が気になって仕方がないの
です。洗うのを諦めたのに少し日が差せば、悔しい思いもします。<梅雨は降り梅雨は晴るるといふことを>後藤夜半
きのうの関東は梅雨の晴れ間となり、我が家もタオルやシャツをお日さまにあてることができました。庭のキュウリやトマトも満身に日を浴びています。洗濯物が光合成をするわけではありませんが、何だかエネルギーを吸収しているような
英国の作家カズオ・イシグロの近刊「クララとお日さま」は、太陽の恵みを信じるロボット「クララ」の物語です。「お日さまに
出会えた運のいい日は、顔を前に突き出し、できるだけたくさんの栄養をいただこうとしました」(土屋政雄訳)
自分のエネルギー源である太陽光が、人間の病気も治すと信じて疑わないのです。だから病の床にいる少女のため、栄養分を注いでほしいとお日さまにお願いするのです。雨の季節に読み返すと、クララの思いは間違っていない気がしてきます。
本の表紙にあるのは大きなヒマワリです。「日輪草(にちりんそう)」や「日車(ひぐるま)」の名前もあり、英語では「サンフラワー」。人々は昔から、そこに小さな太陽を見たのでしょうね。他の草花を見下ろすようにすくっと立つ姿に今年も出会うこと
ができました
<向日葵(ひまわり)の百人力の黄なりけり>加藤静夫。雨でもそれほど冷え込まなくなったのは、盛夏が近づいているからでしょうね。気がつくと百日紅(さるすべり)や木槿(むくげ)なども我が物顔で咲き始めています」。と当コラムは結ばれていました。
向日葵(ひまわり)は、私の大好きな花です。実は今年の私の家の玄関前にも六輪の花が日ごとに黄の色を増しながら咲いています。昨年の緊急事態宣言で近くの大丸で購入した向日葵が今年も見事に咲き誇っています。向日葵と云いますと、母が亡くなった
翌年父が実家の近くの畑一杯に向日葵の大輪の花を咲かせてくれていました。母への供養と子供たちの淋しさを紛らわすための父からの贈り物だったのだろうと感じ入り、大変嬉しく思っていたのをこのコラムを読みながら想起していました。
カウンセリング 神戸市 カウンセリング恵(めぐみ)