<咲き満ちてこぼるる花もなかりけり>・・・高浜虚子
本日、「編集手帳」を読んでいますと、上記の高浜虚子の句に
目が留まりました。あふれる花の見事さが体に伝わってきまし
た。
「ソメイヨシノが各地で次々満開になっています。夏井いつき
さんが選者となる俳句集に、こんな時期に紹介しようと思って
いた作品があります。
<そんな顔するんだ桜見る時は>(作者・こま、「夏井いつき
の「花」の歳時記」世界文化社)。初版が5年前なので、顔の
半分を隠さねばならなかったマスク生活を顧みるものではあり
ません。とはいえ桜の下に敷物を広げ、お酒をともにする花見
が4年ぶりともなれば、職場の仲間や友人の顔に発見もあるで
しょう。
週末は全国的に雨にたたられました。晴れ予報の目立つ今週こ
そ、お花見のピークかもしれません。
<咲き満ちてこぼるる花もなかりけり>とは高浜虚子の句です
。あふれる花の見事さにため息をつくようすがうかがえます。
かと思えば、高野素十は散る花に心奪われました。
<空をゆく一かたまりの花吹雪>。咲き始めから日々、表情を
変えていくところが桜のたまらないところでしょうね。
人の表情はどうでしょうか。コロナ禍で制限を受けた開花時期
は3季におよびます。左党の方は反動からの痛飲に要注意では
。職場の仲間や友人から「そんな顔するんだ」とあきれられる
人も、たぶん、います。」と当コラムは結ばれていました。
ソメイヨシノがこちらでも満開となっています。車窓から眺め
るソメイヨシノは圧巻です。久々に会った友人や知人とは、桜
の話で盛り上がります。高浜虚子と高野素十の句には、見事に
桜花の移ろいの表情が伝わってきますね。