<桜咲き天うらうらと酔ひゐたりその下の椅子にわれは座れり>・・・馬場あき子
本日、読売新聞を読んでいますと「四季」のこの歌が目に留まりました。
「桜の花は人を酔わせます。人ばかりではなく、ここで桜に酔っているのは天。
霞(かすみ)を帯びる暖かな青空は「酔ひゐたり」としかいえないのではないで
しょうか。天と地上の一脚の椅子を結ぶ垂直線の上に描いた堅固な自画像です。」
何とも言えず、この歌には心惹かれました。天までもが桜に酔いしれていると言
う表現。天と桜と地上の椅子の私。着眼点が素晴らしいと思いました。