<視聴率が稼げない>
本日、「編集手帳」を読んでいますと、ホームドラマをテレビの主役にした橋田寿賀子さんの訃報が記事になっていました。
「ホームドラマは、日本のテレビ界で独特の発展を遂げたジャンルといわれます。そもそも成立させるのが難しいのです。家
族の日常を描くとなれば、娯楽色では刑事物に勝てないのです。
「視聴率が稼げない」。そんな声が満ちるなか、脚本家の橋田寿賀子さんは考えを変えることはなかったのです。売れっ子に
なりかけていた1970年代初め、本紙に仮説を語っています。
「三つ要素があれば、視聴者の共感をつかめると思います。身近なテーマ、展開に富むストーリー、リアルな問題点」。仮説
が真説になったことはその後の作品群が証明しています。
ホームドラマをテレビの主役にした橋田さんが95歳で亡くなりました。仲良しの山岡久乃さんはぼやいたといいます。「あ
なたのホンにかかると、ろれつが回りません」。長いセリフを書くのはむろん役者を泣かせるためではありません。隣の家に
ありそうなことに、こっそり聞き耳を立てる心理に視聴者を導こうとすると、困る役者の顔を浮かべつつ長くなるらしいので
す。
視聴者も泣きました。お茶の間での聞き耳に覚えのある方は多いでしょうね。涙、怒り、喜び・・・心揺さぶる日常をセリフ
に詰め込んだ人が逝きました」。と当コラムは結ばれていました。
素敵な脚本家の橋田寿賀子さん。ホームドラマは、成人してから母と視聴していました。家庭が社会の最も小さな単位。大き
な貢献に心から感謝申し上げます。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
カウンセリング 神戸市 カウンセリング恵(めぐみ)