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<河豚(ふぐ)刺身何しんみりとさすものぞ>・・・中村汀女

2023年6月24日

<河豚(ふぐ)刺身何しんみりとさすものぞ>・・・中村汀女

本日の「編集手帳」を読んでいますと、フグの記事が書かれていて興味津々
読破しました。ふぐの食べ方には2種類あるらしい。ふぐの産地がここ数年は
北海道が全国1位らしい。かっての従来の名産は深刻な不漁が続いているら
しい。気候変動の影響は避けられないらしい。最終章のフグのパチパチは面
白くッて笑ってしまいました。

「大皿にきれいに並べてあるフグの薄造りに、豪快な食べ方があるらしい。円
を描くように何枚もすくって、「メリーゴーランド食い」と呼んだお金持ちが
いるとか

ホトトギス派の俳人、中村汀女に対照的な一句がある。<河豚(ふぐ)刺身何
しんみりとさすものぞ>。食べ方はたぶん一枚一枚だろう。高級魚を前にただ
喜べばいいものを、なぜしんみりするのか。よく分からないまま共感するのは、
人の心の妙な部分が詠まれているからかもしれない。

最近、フグに驚かされた。瀬戸内海や西日本が主な産地だったが、ここ数年は
北海道が漁獲量で全国1位になっているという。

水産庁は海水温の変化に伴い、生息域が移ったとみている。かといって、北の
海が豊かになったということではない。サケ、サンマ、ホッケといった従来の
名産は深刻な不漁が続いている。ホッケの干物はかって居酒屋の皿からはみ出
すほど大きかったが、小ぶりになって久しい。

気候変動は言わずもがなだろう。多くの魚にまぶたはないが、フグはまばたき
をする珍しい生態がある。慣れない場所に越してきて、目をパチパチしていな
いだろうか」と当コラムは結ばれていました。

<涙が止まらなかた。自然を強く意識しました。・・・>澄川喜一さん(彫刻家)

2023年6月23日

<涙が止まらなかった。自然を強く意識しました。…>澄川喜一さん(彫刻家)

本日、「編集手帳」を読んでいますと、元東京芸大学長を務めた澄川喜一さんの記事に
触れました。<涙が止まらなかった。自然を強く意識しました。木を素材にする彫刻に
たどり着いたとき、あの錦帯橋の崩落が私の原風景だと悟ったのです」その方の晩年に
なってからのデザインの監修が東京スカイツリーだと知りました。日本の伝統美「そり」
に着目した木彫で新風を起こしたのを始め、素材を鉄骨に変えて東京スカイツリーのデ
ザインを晩年になって監修されました。
91歳で生を全うされたのは、凄いことだと思いました。

「彫刻家の澄川喜一さんは十代を山口県岩国市の工業学校で過ごした。そこで出会った
のは江戸時代に造られた木の橋、錦帯橋だった。

瀬戸内海に注ぐ錦川にかかり、五つの弧を描く風景が美しかった。どんな職人たちが作
ったか、夢中で文献を調べた。だが秋の台風の日、大雨による増水が襲った。グワーン
という共鳴音を立てながら落ち、激流にのまれるさまを目の当たりにした。

「涙が止まらなかった。自然を強く意識しました。木を素材にする彫刻にたどり着いた
とき、あの錦帯橋の崩落が私の原風景だと悟ったのです」

以前、取材でアトリエにうかがったおり、穏やかな表情で語っていたのを思い出す。東
京芸大学長を務めた澄川さんが91歳で亡くなった。神社仏閣や日本刀に備わる日本の伝
統美「そり」に着目した木彫で新風を起こしたのを始め、素材を鉄骨に変えてもその美
は生かされた。晩年になってデザインを監修したのが、東京スカイツリーである。

そばに寄るほど、少し膨らむ不思議な眺めはよく知られている。若き日の澄川さんの涙
とともに育った芸術が、きょうも東京の空にそびえている」と当コラムは結ばれていま
した。

<紫陽花(あじさい)のその水いろのかなしみの…>若山牧水

2023年6月21日

<紫陽花(あじさい)のその水いろのかなしみの・・・>若山牧水

本日の「編集手帳」を読んでいますと、ヒグラシの記事が出てきました。
ヒグラシのその心に沁みる切ない鳴き声が俳人の情趣を寄せるのでしょうか。
青い花の色を溶かすアジサイの水滴と、ヒグラシの音色が鮮やかに溶け合って
いると当コラムは結ばれていました。この指摘は面白いなあと共感して読破し
ました。

「夏を告げるセミのなかでも、ヒグラシは格別だろう。明け方や日暮れに鈴を
振るような音色でカナカナと鳴く。擬音そのままに「かなかな」とも呼ばれる。

俳句歳時記は「初秋」の季語としているが、昆虫図鑑の説明では急に事情が変
わってくる。<梅雨のさなかの6月下旬から7月にかけて現れ、アブラゼミなど
より早く鳴きはじめる>という。ただし、歳時記の季節感がまちがいというわ
けではない。

ヒグラシはおおむね9月初めまで木々を飛び回るそうである。心に沁みる切な
い鳴き声が俳人の情趣が秋に寄せるのかもしれない。

今日の夏至を迎える前に、梅雨の晴れ間が広がった地域は多い。朝夕の光のな
か、すでに鳴き声を聞いた方もおられるだろう。洗濯物がよく乾いたのもつか
の間、またしばらくは梅雨雲がかかるとの予報が出ている。

若山牧水につぎの一首がある。<紫陽花(あじさい)のその水いろのかなしみ
の滴(したた)るゆふべ蜩(かなかな)のなく>。恋人との別離を涙して悲し
む歌などだそうだが、それはそれとして美しい。青い花の色を溶かすアジサイ
の水滴と、ヒグラシの音色が鮮やかに溶け合っている」。と当コラムは結ばれ
ていました。

「かえるの王さま」・「蛙化(かえるか)現象」

2023年6月18日

「かえるの王さま」・「蛙化(かえるか)現象」

本日の「編集手帳」を読んでいますと、グリム童話の「かえるの王さま」の約束を
守る教訓が身勝手な心変わりとした上で若い世代の「蛙化(かえるか)現象」が流
行語になっているらしい。ささいな振るまいで気持ちが冷めることを蛙化と称して
いるらしい。最終章の墓参りに「よく来たな」という先祖のまなざしは、奇しくも
娘たち夫婦とのこの前の実家の墓参りで体験した。

「童話には共感できるものが多い。とはいえ、グリム童話の「かえるの王さま」に
はちょっと首をかしげてしまう。

鞠(まり)を泉に落としたお姫様が、拾ってくれたらお付き合いするとカエルに誓
う。いざカエルが城にやってくると、姫は気味悪がって壁にたたきつける・・・
約束を守る教訓を伝えるにしても身勝手な心変わりが怖い。

若い世代で、この物語に由来する「蛙化(かえるか)現象」が流行語になっている。
元々は心理学の言葉だという。好きな相手に好意をもたれた途端、嫌悪を抱く心理
を指すが、SNSには心変わりの瞬間が数多く投稿されている。

<彼氏とドライブしてたけど途中でガソリン入れる奴(やつ)まじ無理>ささいな
振る舞いで気持ちが冷めることを蛙化と称している。以前は食事中に鼻毛が見えて
急に冷めたとか、わかりやすい理由だったものだけれど。繊細なのだろうか。人の
心は綿でけがをすることもあると、太宰治が書いていたのを思い出す。

先日、気流欄の投稿で読んだ。墓参りに出かけると墓石にカエルがいた。二つ目に
「よく来たな」と言う父のまなざしを見たという。どこかホッとする蛙化である」。
と当コラムは結ばれていた。

<マネー(money)=「もーねい」>

2023年6月16日

<マネー(money)=「もーねい」>

本日の「編集手帳」を読んでいますと、ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんの
中学校時代のエピソードを読んで教師とのやり取りが面白いなーと思いました。
岸田首相がやがて、迎える総選挙がやばいですね。

「ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんには苦手な教科があった。中学に入学して
早々、英語につまずいたという。

自伝に書き留めている。<その日はリーデイングの時間だった。先生に当てられた私は
、マネー(money)を「もーねい」と読んだ>。クラス中に大爆笑が起きた。先生いわく
「もーねいか。確かにお金はすぐなくなる」(「僕はこうして科学者になった」文芸春
秋)

お金がすぐになくなるのは国の懐事情しかりだろう。こども未来戦略方針と称する政府
の少子化対策が発表された。児童手当や子育て世代への給付に巨額の予算を伴うが、財
源がはっきりしない。

「歳出改革を徹底することで国民に実質的な追加負担は求めない」と岸田首相は述べた。
どうなのだろう。既存の予算を削り、年3兆円をひねり出すのは至難の業に違いない。
児童手当の拡充は来年10月分から実施するという。その前には歳出カットを議論する
時間も必要となる。

岸田首相は今国会の衆院解散はしないと言明した。英語が達者と評判の首相だが、いつ
か迎える総選挙に向け、マネーの発音が気になるところだろう」。と当コラムは結ばれ
ていました。

<何処より 聞こえ来る ヒーヨヒーヨと>

2023年6月16日

<何処より 聞こえ来る ヒーヨヒーヨと>

どこから聞こえてくるのでしょうか??
ヒヨドリがヒーヨヒーヨと鳴いている。
隣でしょうか??家の近くの木立でしょうか??

<不幸は一人ではやってこない。群れをなしてやってくる>(シェークスピア「ハムレット」)

2023年6月15日

<不幸は一人ではやってこない。群れをなしてやってくる>(シェークスピア「ハムレット」)

「編集手帳」を読んでいますと、組織ぐるみの事故が絶えないのはなぜだろうか?!と考え込んで
しまいます。シェークスピアの言葉<不幸は一人ではやってこない。群れをなしてやってくる>・
・・なるほど!!と思いました。

「劇の一幕にすぎないとしても、本当に嫌なことを言うものだと思う。<不幸は一人ではやってこ
ない。群れをなしてやってくる〉(シェークスピア「ハムレット」)

沖縄での10人を乗せたヘリの墜落事故から時を置かないうちに、自衛隊で痛ましい事件が起きた。
岐阜市にある訓練施設で入隊したばかりの自衛官候補生(18)が同僚の隊員に向け小銃を発射し
、2人の隊員が死亡した。

実弾を使った射撃訓練が行われていた。隊員たちが整列するため並んでいたところ、候補生が突然
、列に向けて小銃を発射したという。指導役を狙い発砲したとみられている。

偶発による不幸の連鎖であったとしても、国民の不安は大きい。「なぜ」が多い。墜落したヘリが
エンジントラブルを起こした原因は依然、はっきりわかっていない。そのうえに今回の不可解な事
件である。候補生という立場は、教育過程にあることを物語る。実弾を込めた小銃を扱うに足る教
育がなされていたかどうか。引き金を引いた18歳に聞くまでもないことだろう。

動機などの解明を急ぐとともに、不幸続きの「なぜ」を組織に向けてもらいたい。

<前に書いたことと自家撞着(どうちゃく)するように見えることを平気で書いたりしている>寺田寅彦

2023年6月13日

<前に書いたことと自家撞着(どうちゃく)するように見えることを平気で書いたりしている>(「随筆難」)・・・寺田寅彦

本日の「編集手帳」を読んでいますと、寺田寅彦の<自家撞着>に興味津々で読破しました。ジャニーズ
事務所の<責任追及>と<様子見>という整合性のとれないものが見苦しくぶつかり合っている話はひど
く悲しい話ですね。

「科学と文芸をつないだ随筆家・寺田寅彦は多種多様な文章を書くうち、ある危惧を抱いた。<前に書い
たことと自家撞着するように見えることを平気で書いたりしている>(「随筆難」)

自家撞着とは、一つの物事に整合性のとれない問題が表れることをいう。ジャニー喜多川氏による少年へ
の性加害問題の報に接してから、この小難しい四字熟語がなかなか頭を離れない。

「再発防止特別チーム」がきのう、記者会見を開いた。前の検事総長の林真琴氏が「外部の第三者として
厳正に検証する」と険しい顔つきで語った。当のジャニーズ事務所の考えはどうなのか。

先頃まで第三者委員会は作らないとコメントしていた。姿勢を改めたのなら事務所としても見解を示すべ
きだろう。外部の第三者のさらに外部から見れば、責任追及と様子見という整合性のとれないものが見苦
しくぶつかり合うかに思えてしまう。

テレビで事務所の所属タレントを見ない日はない。歌にダンス、演技やコントを楽しむ気持ちと、少年が
心に受けた悲しい傷がぶつかり合うことはないだろうか。恐らくこれも、自家撞着と呼ぶ」。と当コラム
は結ばれている。

<♪母ちゃん、道楽のような仕事をするな!>

2023年6月12日

<♪母ちゃん、道楽のような仕事をするな!>

ある時、夫が言いました。何のことか意味が分かりませんでした。
よく考えたら、第2の仕事のカウンセリング起業の時に夫が言い
ました。民間でのカウンセリングで慣れない仕事の時に言いまし
た。
自分では気が付いておりませんでしたが、<楽しんで、やってい
ることか?!>と、気付かされました。
自分のことは、なかなか分からないものですね。!!

<♪その背中にはいつだって/立ち上がれる呪文を一つ・・・>

2023年6月11日

<♪その背中にはいつだって/立ち上がれる呪文を一つ・・・>

本日、「編集手帳」を読んでいますと、あいみょんの記事に触れました。興味津々で
読破しました。<富士山にも遮られなかったのは風の力か、夢の力か>
夢の力でしょうね!!

「シンガー・ソングライターのあいみょんは、夢をかなえた人だろう。壁にぶつかって
沈みがちな人を見ると、応援したくなるらしい。

「プレゼント」という楽曲に思いを込めた。♪その背中にはいつだって/立ち上がれる呪
文を一つ・・・まず立ち続けることが大事であるらしく、そのための呪文を見つけたい
ものである。

岐阜県の小学6年高倉優里さんの場合、ある日突然、手紙の形でそれが届いた。差出人は
神奈川県小田原市に住む50代の男性で、楽器のドラムステイックが同封されていた。ふし
ぎな縁は優里さんが「有名なドラマーになれますように」と書いた手紙を風船で飛ばした
ことに始まる。

男性は石井豊さん。元ドラム奏者で、庭先の落ち葉に風船が埋もれていたのを見つけたと
いう。返信にこう書いた。「夢は小さな風船と同じだと思います。雨風にさらされ、漂い
ながらも飛び続けていれば、かならず最後は誰かを幸せにできる。遠い場所より夢を応援
しています。」

岐阜市と小田原市は200キロ離れている。風船が南アルプスの空をふわふわ流れ、富士
山にも遮られなかったのは風の力か、夢の力か」と当コラムは結ばれていました。